

フクロウは、野ネズミが主食です。たった1羽のフクロウが、一年間におよそ2500匹の野ネズミを食べます。
このためにフクロウは、夜間でもよく利く大きくて視力のいい眼をもっています。また、超音波をステレオで聞くことのできる感度のいい耳ももっています。そして、獲物に気づかれないように羽音を消すことのできる特殊な羽毛も、身につけています。
そして、フクロウは樹洞に巣をつくり、子育てをします。その樹洞は、フクロウが世代交代を繰り返しながら、毎年使われ続けているのです。
こんなに長い年月、フクロウが使える樹洞は、数百年も生きてきた大木にしかありません。そのような森を育てているのが土です。
土といってもただの土ではありません。土壌バクテリアがたくさんいる土です。土壌バクテリアは、落ち葉や動物の糞などいろんな有機物を分解して、健康な土を作っています。
その土にトンネルを掘って生活しているのが野ネズミで、そのトンネルがバクテリアたちに新鮮な酸素を送る役目を担っているので、有機物を分解できるのです。そこでフクロウは、その野ネズミが増えすぎないように食べてコントロールしながら森に住まわせてもらっています。
こうして見てみると、フクロウ→ネズミ→バクテリア→樹木…といった環境の輪が見えてきます。フクロウは「森の哲学者」ともいわれますが、この鳥を見ているだけで、森の不思議さ大切さがわかります。
ボクはフクロウが「私の目を通して見た森と自然の話をみなさんに伝えて欲しい」と言っているように感じるのです。
自然界の報道写真家 宮崎 学
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